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鍼灸をすすめられたら

他の治療、例えば、接骨院などからの紹介で鍼灸治療を受けることになる人もいると思います。接骨院ができることには限度があり、その治療で及ばない痛みの治療や痛みを和らげるために、鍼灸を紹介されます。だいたい接骨院のほうでおすすめの鍼灸院などを2、3教えてくれることが多いようです。または最寄りの鍼灸院などを調べてくれるでしょう。

もちろん、いまの症状や病状により効果がある治療法があれば、色々試してみることが必要ですし、一つの治療法であまりめざましい効果がなかった場合は当然他の選択肢を探して当然です。場合によってはいくつかの治療法を併用することもできます。

治療法や頻度、そして組み合わせなどは専門家に任せる事が大事ですが、あまり多くの治療や回数をすすめてくる業者は止めた方がいいでしょう。どんなに体に良くても、多すぎれば、体にとって負担になるからです。

また、鍼灸をすすめられた場合でも、いちおう自分で下調べをして、一度施術を受けて自分にあった施術かどうか確認しましょう。ごく稀にですが、鍼灸が合わない人、気分が悪くなる人というのもいますので、必ずしも万人向けではないのです。これはマッサージでも足裏マッサージでも言えることで、体質や体調にも左右されますし、持病にあまり効き目がないことも残念ながらあります。

鍼灸治療の頻度

鍼灸治療の頻度については、施術者の判断を仰げばいいのですが、一般的にその人の体質、症状、そしてそのときの体調によって左右されます。施術時間もそれにあわせて、30分から数時間に及ぶこともありますし、また回数もそれぞれの人で違います。「過ぎたるは及ばざるがごとし」といいますが、治療のしすぎというのも体に毒なので、適度に受けることが大事です。回数や頻度は鍼灸師に尋ねましょう。

また、もし他のリラクゼーション、例えばマッサージや接骨院に通っている場合はそのことも一応告げておいたほうがいいでしょう。その治療の兼ね合いや治療過多にならないように工夫してくれる筈です。

体の調子を上げるために受ける治療ですし、代謝機能や免疫機能、そしてより経路の流れを促すことができれば、その慢性化した症状を緩和、もしくはかなり完治に近い状態まで持って来ることが可能ですから、まずはしっかり治療者と話し合い、あなたにとってベストな治療法、そして治療のスパンを考えていきましょう。やたらに多く施術しようとする治療者、そして治療法はよくないですし、体調が悪いときは施術を控えるなど、メリハリも必要です。より良い治療のために、自分でも多少鍼灸の知識を身につけ、生活習慣も改善しましょう。

良い針灸師を探す

鍼灸院は、広告やクーポンサイトに掲載されることは少ないし、その上、施術の値段もよくわかりませんよね。それはなぜだと思いますか。足裏リフレクソロジーやマッサージ店などはよく集客のクーポンやサイトで料金案内をしているのに、鍼灸院はそうした広告を見るのは稀ですよね。それは法律で禁止されているからなのです。 「按摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」によって、広告には制限が設けられているので、民間資格のこうしたリラクゼーション関係のマッサージと違って、より厳しい制限があるのです。

だからあまり鍼灸施術の価格についてとか、鍼灸院はどのようなサービスをしてくれるかというのは、いってみないと実際分からないことがあります。経験するまではかなり緊張してしまうかもしれません。

ですから、できれば知り合いの紹介とか、すでにある程度実績のある針灸師であれば、多少の口コミをあてにして予約を入れるのもいいかもしれません。料金のほうはほとんどの鍼灸院でそう価格の違いがある訳ではないですが、やはり施術者とよく話し合って、施術を受けるごとにお互いの信頼関係が深められれば、長い付き合いで治療をすすめることができるでしょう。

鍼灸のお値段

鍼灸院に通うことを決めた場合には、まずその施術の値段を確認しておくことが肝心です。鍼灸院によって多少前後しますが、だいたい3000円から5000円くらいが相場といってよいでしょう。また施術時間に関しても、それぞれの患者さんによって治療の場所やコンディションが違いますので、施術時間は1時間だったり、もうすこしかかったりします。

初回割引や紹介割引、また実費ではなく、保険診療にしてくれれば、より安くあがることでしょう。保険の適用になる症状については、神経痛・リウマチ・腰痛症・五十肩・頸腕症候群・頚椎捻挫後遺症にかぎられますが、それでも保険が適用できたら、慢性疾患ならばかなり治療代の削減になることは間違いなさそうです。

また、もし自分の鍼を買う場合や、特別な治療をする場合、高額な治療をする鍼灸院もあるので、その際は多少平均価格より上回ってしまう場合もあります。鍼灸の治療は数を多く受ければいいというものではなく、症状やそのときのコンディションで必要な治療がかわりますので、治療者のアドバイスを良く聞いて、指示に従うようにしてください。症状によっては治療が1回につき30分で十分なこともあります。時間での料金設定をしているところもあるし、多少時間が前後しても、1回ごとの料金を設定しているところもあります。

鍼は自分のを使える?

鍼治療のなかで最も気になる部分は衛生面です。鍼は血管にささないから感染症の心配はないという意見もありますが、体の内部に入るものだけに、衛生面や感染症の心配はつねにつきまといますし、またそれが鍼灸院を選ぶときの大きな問題となります。そのために、鍼灸院では、個人ごとに鍼を変えたり、医療レベルでつかわれている消毒法を実施していたり、または使い捨ての鍼を使用しています。昔ながらの使い回しは不衛生だし、それが鍼の普及を妨げるものになってしまうからです。

最初に自分の鍼を買いそろえてしまう人もいます。多少お金がかかりますが、その後の安心を買える、そして長く鍼治療をしていきたいと思っている人ならそう高い投資でもないでしょう。そしてできれば自分の鍼をキープできない鍼灸院でも、使い捨てであることが望ましいでしょう。

治療代や治療の回数にもよると思うのですが、やはり衛生面の管理は鍼灸を受ける面でもっとも大事なことです。気兼ねなく、また安心して鍼灸の治療を受けることができるように、最初にはっきりと鍼の管理方法やどんな鍼をつかい、消毒、もしくは使い捨てなのかよく質問しておくといいでしょう。心配しながら施術を受けると、治療できるものもできなくなってしまうかもしれません。

もぐさって何?

お灸に使うもぐさって、何からできているか御存知でしょうか。その答えはよもぎです。日本では古くから民間療法として、また健康に良い食べ物として広く使われてきたよもぎですが、もぐさは、ヨモギの葉の裏にある繊毛を精製して作るものです。この繊毛には、お灸の有効成分である、ビタミン、タンパク質、脂肪、灰分、そして日本のハーブといわれる由縁となっている芳香成分テルペン、シネオール、ツヨン、コリン、アデニン、タールなどが含まれています。

最初慣れないうちは、もぐさが燃えるときに熱さを感じるときがありますが、だんだん慣れてきて、お灸を受けているときに心地よさを感じるようになります。また慣れていないうちは温度調節などをしてくれるので、そう恐れることはありません。高級品ほど、点火しやすく、適度な熱さを感じるといいます。精製には手間がかかるので、高級品はかなりの値段ですが、やはりいいものはほどよい香りがつづき、また火力がおだやかで体に馴染みやすいものです。

もぐさの精製の度合いによって、点灸用・灸頭鍼用、温灸用にわかれ、いまはもぐさ加工品で、より手軽で、自分でお灸ができるような商品も開発されています。温灸は、皮膚ともぐさとの間に、しょうが・にんにく・みそなどをおく方法で、精製度があまり高くなくても、安価でお灸が楽しめるものになっています。

ツボ刺激の効果

体は東洋医学の考えでは気と血の循環によって体のバランスが保たれているということです。気血の流れは経路と呼ばれており、その経路が交わるところがツボです。その経路の流れが滞ると、病気の原因になるということで、ツボを刺激することによって病気の予防や、気血の流れを元通りにしてやっかいな症状を改善することができるというコンセプトです。

世界的なツボ、鍼灸治療のひろがりにおいて、世界保険機関WHOは、1989年にツボの名称を統一し、2006年の国際会議で361のツボ位置の統一を決めました。それまではツボの呼び方や場所が、各流派や団体によってまちまちだったのです。

それからツボ刺激の方法も、いま一番ポピュラーなものとして指圧マッサージがあるのですが、それでも効果がでなかった、そしてもともとの体質改善やより強いツボ刺激として鍼灸を利用する人が増えてきました。より多くの刺激がツボに与えられ、症状の緩和や治療に大きな効果をもたらしています。鍼を皮膚に刺し、もぐさを燃やすという、一見変わった治療法ですが、その効果の程は、実証され、いまは世界各国で鍼灸治療が行なわれています。体にやさしく、また体のもともとの免疫機能や代謝機能を高める治療法でとても有効だということが世界に認められています。

薬と鍼灸、どちらが効くの?

鍼灸の治療法をみているとツボを細いハリで刺したり、「お灸を据える」という慣用句があるように、とても熱く、苦痛なものを想像しがちですが、その見た目に反してそう痛みも熱さも感じないものだといいます。そして西洋医学によって処方される薬は一見手軽で、症状の緩解、治療にとても有効ですが、知らないうちに中毒になっていたり、もしくは副作用があったりと効果がある分、望まぬ結果に悩まされたりもしてしまいます。

いまは西洋医学では完全な治療法がないものや、不治の病などで、最終的に漢方薬や鍼灸にその治療を見いだす人が増えていますし、なるべく薬を使わない方法でより健康になり、気になる症状を抑えたいと考える自然派志向の広がりもあって、日本だけではなく、アジア諸国、そして世界中に鍼灸の治療が広がっていっています。

鍼灸は繰り返し治療しても、体への負担や副作用が少なく、薬の飲み合わせや体力の衰えなど気にしなくても気軽に治療をうけられます。お年寄りでも大丈夫です。体にやさしく、薬の服用要らずでとても安全です。マッサージや指圧で効果が感じられないときは、もう一歩進んで鍼灸治療を受けるとずっと効き目を実感できるかもしれません。

鍼灸のおこり

日本では江戸時代の庶民にも親しまれていた鍼灸です。人々の生活に根付いた民間療法として、長い歴史があります。これらの鍼灸技法の基盤が整えられたのは、日本では17世紀から19世紀にかけてでしたが、もともと鍼灸のおこりは、紀元前の中国に遡ります。その後、生薬の知識などとともに、東アジア全体に広がっていきました。

いまとなっては、西洋でも治療法として多くの治療者を輩出し、体の負担がすくない確かな治療法としてどんどん広がっていっています。鍼灸の治療は、症状の緩解、多様な疾患の治療、そして健康増進など多くの効果が期待でき、また治療の方法も独自で、最初はその治療法に驚きますが、その見かけの程、痛みや苦痛はすくなく、継続治療によって確実に症状はよくなっていきます。

江戸時代から日本の医療は、医師は漢方医、そして鍼灸やマッサージ、つまり按摩の仕事は、視覚の不自由な人の職業として、鍼灸師や按摩が分担して担ってきた経緯があり、明治になって西洋医学が入ってきてからは、医師は西洋医療を受け入れ、鍼灸、按摩は慰安業として残されましたが、民間療法として鍼灸への信頼は厚く、その後国家資格なり、いまも一つの健康法、そして治療法として幅広く用いられています。

鍼灸の基本知識

鍼灸は、体全体にあるツボを鍼や灸を用いて治療していくもので、それによって体の不具合や不快感、痛みなどを和らげていく治療法です。西洋の医学や治療法に反して、中国や日本、アジア諸国で長く用いられてきた方法であり、メスをつかわない治療法として、いまは西洋諸国などでもこれらの鍼灸治療は広まりつつあります。慢性化した腰痛や肩コリ、またその他慢性疾患や体質をツボを刺激して代謝や自然治癒力、免疫を高めます。

鍼灸は医療行為であり、これができるのは、医師と鍼灸師のみとなります。日本の鍼灸資格は国家資格であり、生理学や解剖学などの幅広い知識が必要とされ、資格取得までには最低3年と時間がかかります。民間資格など独自の基準を設けて資格を取得させている他のマッサージや整体などとは一線を画すものです。

日本では古くから鍼灸や体のコリやハリをほぐし、疲れを取る方法として民間で親しまれてきました。いまも漢方や東洋医学、体により負担をかけない治療法として、若い人にも再認識されるようになってきています。老いも若きも、性別を問わず、様々な疾患の治療法としていまも利用されています。鍼灸を経験しないなんてとてももったいないです。体の慢性の痛みや慢性疾患に悩むなら、ぜひお試しください。